大判例

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最高裁判所第三小法廷 昭和23(れ)1096 判決

主 文

本件上告を棄却する。

理 由

弁護人本吉加岐磐並に被吉人Aの上告趣意は末尾に添附した別紙書面記載の通り

である。

弁護人本吉加岐磐上告趣意第一点について。

所論の如く原審においては、押収にかかる斧と腕時計とについて特に証拠手続を

した形跡はなくまた事実調の途中において右二品を被告人に示した形跡もないしか

し原判決においては、右二品を有罪認定の証拠として採用していないのであるから、

右二品について証拠調をしないからとて所論の如き違法があるとはいえないから論

旨は理由がない。

同第二点について。

記録に徴するに被告人の原審公判における供述は、論旨に摘録した通りであるが、

しかし原審においては、被告人の右供述は、判示第二事実に対する犯意を否認した

趣旨であつて、Bに対する殺害行為に着手の後自己の意思によつてこれを止めたと

いう趣旨ではないと解釈したものであり、且つ其解釈については何等の法則違背は

認められない。従つて所論刑事訴訟法第三六〇条第二項に基く判断を示さないこと

は当然であつて所論の如き違法はなく、論旨は理由がない。

被告人Aの上告趣意について。

論旨は結局原審の事実誤認を主張し、且つ寛大の処置を願うというのであるから、

日本国憲法の施行に伴う刑事訴訟法の応急的措置に関する法律第一三条第二項によ

り適法な上告理由とならないものである。

よつて刑事訴訟法第四四六条により主文の通り判決する。

以上は裁判官全員一致の意見である。

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検察官 小幡勇三郎関与

昭和二三年一一月二日

最高裁判所第三小法廷

裁判長裁判官 長 谷 川 太 一 郎

裁判官 井 上 登

裁判官 島 保

裁判官 河 村 又 介

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